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star gazing

SG-Lab天文編

こちらのページでは、初めての星空観望から少しマニアックな方まで幅広い情報を掲載しています。
最新観望情報はBlogで配信します。
star gazing

Paloma 200inch パロマ山5mへール望遠鏡ドーム Hale

2018年の夏を例にしますと月齢は以下の様になっています。(国立天文台などのHPで調べて下さい)
7月6日下弦;13日新月;20日上弦;28日満月、8月5日下弦;11日新月;18日上弦;26日満月
となっています。

Milky way

星野観望について:
いわゆる星空散策です。
肉眼でも季節ごとの星座を探したり、ギリシャ神話に思いをはせたり、天の川をただ見つめるだけでも充分に楽しめます。

都市部の空の状況:
日本の殆どの大都市とその近郊では、光害と大気中の塵によって夜空全体が明るく照らされていて、東京都心で眺められる星々は極めて限られてしまいます。(北斗七星全てが見えたら、かなりラッキーです)


八ヶ岳高原イメージ 清泉寮 公益財団法人キープ教会HPより
観望に適した場所:
大都市から離れ邪魔な光が少ない事と水蒸気や塵の少ない場所と言う事で、山の頂や高原が適しています。 可能であれば全天を見渡せる開けた場所が望ましい条件でもあります。

観望に適した日時:
星空観望にとって、都市部の光害と同様な障害となるのが月明かりです。
月が天空にあると、月の明かりで、暗い星々は消えてしまいます。
昔の話ですが、富士山5合目に日没後車で到着した時に天の川(南東方向)が見えたのに、暫くすると視認できなくなってしまいました。 直ぐには気付かなかったのですが、水平線上に月が昇ってきていました。
この事からも、暗い星々を観賞するには月の出ていない時間帯を選ぶことが重要となります。

具体的な例:
今年2018年8月の新月(月齢ゼロ)は8月11日です。
11日土曜日は地球から見て月が太陽との間に位置し、日没とほぼ同時に月没となり、一晩中(薄明の影響が無くなる午後7時半頃から午前4時位まで)眼視観望に最適な環境が期待できます。

お盆休みの13日~15日の日没は山梨県甲府辺りで午後6時半位となり、その後薄明がとれて完全に暗くなるのが午後7時半頃です。
一方月の出没ですが、
13日は月齢1.2(物凄く細い月)で20:04に水平線に没する計算で、実際には午後8時前に山の稜線へ隠れます。
13日午後8時
(Stellariumシミュレーションでの8/13午後8時の空の様子)
月も完全に沈んでいて、晴れていれば”天の川”が観れることが分かります。
その後も午前4時頃の薄明が始まるまではでは理想的な観望条件になります

15日は月齢3.7(三日月)計算上21:16に水平線に没します。
13日午後8時
(Stellariumシミュレーションでの8/13午後8時の空の様子)
15日午後8時では、西南西の低い空に三日月が残っている事に注意して下さい。(一日あたり、50分程月没時刻が遅くなります)
この月明かりの為に、恐らくは”天の川”を観望するのは少し難しいと思われます。(満月が中空にかかっている程ではありませんが、影響はあります)
21:16(計算上)以降まで待つ必要があり、その後は夜明けの薄明が始まる午前4時頃までは良好な観望条件が続きます。
但し”天の川”に関しては午後11時頃には”さそり座”が西に沈むにつれ、”天の川”も西に低くなり観望に適さなくなります。

詳しくは後述しますが、裸眼眼視/低倍率双眼鏡での観望では、”夜空の暗さ”が絶対条件となります。
広い視野で透明度の高い夜空を眺めると天の川だけでなく、人工衛星(ISS等)や流れ星等もかなり高い確率で見る事ができます。
一方、中倍率(50x)以上の観測装置を用いれば、月や惑星が観測対象となり夜空の暗さは二次的な要素となります。
2018年8月15日であれば、日没直後は金星と月齢2.7の月を低い西空で観測し、続いて”てんびん座”の木星、”いて座”の土星と薄明が残っていても十二分に観測が可能です。

薄明終了後は、雲がなく晴れ渡った夜空には、星座の知識など不要なほどハッキリした”天の川”が目に飛び込んできます。
有名な”さそり座”の毒針にあたるSHAULA辺りから”いて座”にかけての銀河(天の川)は、我々が属する天の川銀河の中心部方向を眺めていることになります。
従って星の密度も他の領域とは全く違う次元で濃くなっているので、淡い雲のように眺める事ができます。

見上げれば夜半に天頂にかかる”はくちょう座”のデネブ・アルビレオが銀河の中に浮かんでいるのが、お分かりになるでしょう。
その両側に”織姫星/彦星”の”こと座/わし座”や、小じんまりした”いるか座”も直ぐにわかると思います。
”はくちょう座”を南へ辿って行くと、銀河は次第に濃くなり”いて座”へと続いています。
個々の星の光が何万年も前に放たれた事に気付けば、今眺めている星空のスケールの大きさを実感していただけると思います。
百聞は一見にしかず。 まずは御覧下さい。

夜中過ぎの夜空は、すっかり秋の空で、天頂付近に大ペガサスの四辺形が望まれ、M31アンドロメダ大銀河(200万光年程離れたお隣さんです)も肉眼で分かります。
更に夜明け前の東の空には、冬の星座の代表である”オリオン座”も昇ってきます。
人工のプラネタリウムでなく、本物の星空を楽しんでいただければと思います。

補足的に成りますが、新月の”後”だけでなく”前”も同様の条件で観望に適しています。
つまり新月挟んだ数日が観望に最適な期間で、満月に近づくにつれて好条件は狭くなります。(満月だと基本、一晩中天空に月明かりがある為)
指針として、新月を中心とした一週間が観望の好機と言えます。
(2018年8月であれば11日が新月ですので、8/8~8/14の期間が好ましい事になります)

いて座、さそり座イメージ

いて座の銀河を眺めていると、その中にも濃淡があり、何やら固まりのような物がある事に気付かれると思います。
M7、M21と言ったメシエ・カタログ天体です。
※メシエ・カタログは、仏人のシャルル・メシエによって創られ、彗星探索で紛らわしい天体をまとめたのが目的とされています。
メシエ肖像画イメージ


2018年8月では土星が”いて座”の中に居ます。
観測には好条件で、肉眼では一際明るい一等星として、30x程の倍率をかければ輪の存在が認められます。 (やはり100x程度の倍率は欲しいところです)
土星イメージ 中倍率だとこの程度に見える(ハズ。。。)

月、惑星観測について:
惑星を眼視観測を行なうだけでも、最低50倍程度の倍率がかけられる望遠鏡が必要となります。
又、連続して安定した観測を100倍程度以上で行なうには、口径6cm以上の赤道儀望遠鏡が望ましくなりビギナーには敷居が高いのが現実です。
月に関しては、満月を除く全ての月齢での観測が可能(満月でも可能ですが、全く面白くありません)で、低倍率の望遠鏡や双眼鏡でも、それなりに楽しめる対象です。
多少の雲(高層の薄雲など)があっても、それなりに見える対象です。

先日、堂平山天文台(埼玉県ときがわ町)職員の方と御話をする機会があり、公開観望会(90センチや45センチ望遠鏡を使います)では、惑星や月の観測を行なう場合300x程の倍率で行なうそうです。(理論最高倍率は90センチで1800xまで可) やはりその倍率であっても気流の安定度(シーイング)が相当影響するそうです。
300倍を超える倍率を性能いっぱい出せる空のコンディションは年に数回だそうで、雨天、雲天を除き毎晩眺める必要がありそうですね。


ニコン7x50mmイメージ
双眼鏡観望の薦め:

条件の良い環境下では、肉眼でおよそ6等星まで見えるとされます。
双眼鏡を用いると、その限界は驚くほど広がります。(暗い対象がよく見える)
人間の瞳径は最大径で約7mmとされ、たとえ手のひらサイズのφ15mm口径(ニコン・ミクロン等)でも肉眼の4倍もの光を集めて瞳に導きます。
結果的に7等星まで見える計算になり、星の数で表せば肉眼の10倍も多く見える勘定になります。
一般的な中型35mmや50mmの双眼鏡では、文字通り桁違いの60倍とか180倍も多く肉眼より見えるとのデータがあります。
ここで注意は、例えば7xの倍率であれば手持ちのブレが7倍も増幅されることです。
肉眼では動かなかった星々が双眼鏡の視野の中で暴れまわります。
視野が安定しないと暗い星々は流れて消えてしまいます。
これを防ぐ為に安定した姿勢で双眼鏡を保持する工夫をして下さい。
例えば両肘を硬い物の上に乗せる等、極力双眼鏡に振動を与えないようにする事が重要です。
幾つかの双眼鏡では、三脚アダプタが用意されているので三脚との御利用を強くおススメします。
ニコン三脚アダプタイメージ見え方が全く違います!

個人的なおススメ星観場所:
1.山梨県清里、清泉寮駐車場
日没前に現地に到着し、富士山、日本アルプスの遠景を眺め、八ヶ岳に沈む夕日を楽しみます。
清泉寮イメージP3
星観の前に、有名なキープ牧場のソフトクリームはいかがでしょうか。
レストランもありますので、薄明が終わる時間帯の調整にディナー・オプションも可能です。(たしか要予約)
牧草地横に第3駐車場(P3)があり、そこからの眺望は北西側に八ヶ岳が控えている以外は全ての方位に視界が開けています。
メインの道路に、ひとつ街灯があり邪魔な気もしますが、そのお陰で足元の安全を確保できます。

東京から2~3時間程で到着し、天候を含む条件が整えば必ず”天の川”が見れます。
空気が澄んでいる高原ですので、かなりの確率で”流れ星”も見れると思います。
午後8時から1~2時間程も星空を堪能して、東京へ戻っても夜中過ぎ頃には帰宅できる計算になり、安全でお手軽な星観場所としてのイチオシです。
周辺には”まきば公園”、”飯盛山”、”野辺山天文台”等もあり、少し足を延ばせば白樺湖もあり、星観だけでなく多くのPOIがあります。

2.ハワイ州マウイ島ハレアカラ山頂
ハレアカライメージ
2018年現在、日本からマウイ島カフルイ空港までの直行便は無いと思います。
従いまして、一般的にはホノルル経由でカフルイへ入る事になります。

ハワイ観光の一般で何でもあります。
(個人的にはジップライン・ツアーをしてみたいですね。。。)
特筆すべきがハレアカラ登山です。(と言ってもトレッキングだけではありません)
実は高度1万フィート(海抜3000m強)の山頂まで車で登れます。(パーキングから僅かですが歩きますが階段の他、車椅子でも利用できるようスロープもあります)
少し車で戻りますが、ヴィジターセンターにはトイレの設備も整っているのは、さすがアメリカの国立公園です。
海抜3千メートルとあって地上近くの天候とは全く別で、かなりの確率で晴天を期待できます。
山頂からは文字通り全方位、全天で障害物はありません。
6月頃であれば、月の無い夜半には”天の川”が南中し、それは素晴らしい眺めです。
日本のお盆休み時期では、日没・薄明終了後”天の川”が南中しています。
是非双眼鏡を携えて訪問して下さい。

ハレアカライメージ
日没前の昼間は、雲がなければ眼下に広がるマウイ島カフルイが見渡され、又遠く(130km程彼方)南東には、お隣ハワイ島マウナケア山頂(こちらは4千m級)の大望遠鏡ドーム群(すばる望遠鏡を含む多国籍施設)が望まれます。
マウイ島には古い香りを残すラハイナやモロキニ島、そして晩年世捨て人となってしまったチャールズ・リンドバーグが眠るハナとオアフとはかなり異なった文化と風土があるように感じます。
少しでも飛行機に興味があれば、カフルイで軽飛行機をチャーターして島を一周して下さい。(操縦体験も出来て3人搭乗で$250も出せば可能なはずです。個人的なお気に入りはハナ空港で何とも言えないローカル空港で希望すれば着陸してくれます。 詳しくは別ページで紹介しています)

ハナ空港イメージ

以上
SG Lab主宰 2018年7月末記

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